1983年極上ミント★Ref.144.006★2000シリーズ ファーストクロノグラフ Cal.LWO283

1982年、リューズを完全ねじ込みタイプのものとし、ベゼルをサファイアクリスタルを完全プロテクトする為にフィクスタイプのものも含め完全防水セッティングとし200m防水を一般モデルとして実現した。当然視認性も高め、時、分針には夜光のトリチウムを塗布、プロフェショナル・スポーツウオッチを発表した。

2000シリーズの誕生である。

同年、ホイヤーはピアジェの傘下となり、現在タグ・ホイヤーの名誉会長として伝説を復活させた”ジャック・ホイヤー”が社長職を退任、時計の情熱を捨て違う道を歩むこととなった年でもあった。しかしこの2000シリーズの誕生はまさに1969年、世界初の防水角型となったモナコが原点であり、その後のクオーツショック、1973年世界大恐慌による機械式の壊滅から10年近く経った1980年代の機械式の夜明けを見据えてきた”ジャック・ホイヤー”の夢でありその集大成であったのも事実である。そんなプロフェショナルシリーズの原点として今回ご紹介させて頂くのは、まさにその社運の狭間にたった1982年に発表された初代2000シリーズのクロノグラフ”Ref.144.006″である。機械は当然ETAの2892-2をベースにリファインされた”Cal.LWO283″であり、未だジャックの指揮下で創造された万物であり、バックケースに刻まれた”HEUER-LEONIDAS”のようにクオーツショックを生き抜いたホイヤーの魂を感じる最後の一品であろう。当然、社名は未だTAGでもない”HEUER”名。ダイアルに描かれた”その名には”TAG”たけがないだけではあろうが、その違いはこの一品を手にとる方に感動と余韻を与えるはずである。そして最後にこの一品、バンドと尾錠はオリジナルではなく、フェイスのみとなるが完全なデッドストック、極小のキズすらもない最高の一品であることを告げよう