1931年、11 1/2 ラインとして制作された世界初自動巻き、機械とローターを凛冽する中間車が両方向からの回転を片側に整流させて巻き上げる方巻き上げが主流であったことで、二つの歯車を重ね合わせることで整流に対応し、そこにバックラッシュを起こさないようにそれぞれの歯車に二つのパーツを装備させることで、必然的に高くなり通常の裏蓋では機械が裏蓋に当たってしまうことで、バブルバックは誕生したが、その中間車を取り除けば、当時の手巻きの機械が顔を出す。未だキャリバーナンバーとしては与えられていないが1931年にスモセコ620キャリが誕生し、23.3mmの10 1/2ラインのスモセコ520、センター530キャリが1936年に誕生していくが、それぞれ手巻きの11 1/ラインと10 1/2ラインがベースとなっている。
今回の非常に希少とされるRef.2765はその関係性を紐解く最高の逸品である.ケースは誰が見てもバブルバックであるが、機械は530機のベースともなっている手巻き10 1/2ラインである。当然、ローターと機械の巻き上げの為の中間車は無く丸穴車か存在するが、その中間車をこの機械に綺麗にとりつけられることからも、同系を使用しているのが理解出来よう。ここで何故ケースがバブルバックとそっくりのミドルケースなのか。それまで手巻きが主流であったことで、手巻きに慣れている方や片方からの巻き上げである為に、腕を動かさないような方には当時、自動巻きが欠点となり、手巻きの機械に成り親しんでいた方からの要望で、急遽、バブルバックに手巻きを加えることを利用したのではないかと考える。特に2765を例にとると、その存在のほぼ全てにシリアルナンバーは100000番台以上であることで、1940年以降に存在したこととなる。今回の一品も1941年であり、ポイントはこの時代、未だラグ部分にシリアルナンバー表記がなく、裏蓋にシリアルナンバーを刻んでいたことで、裏蓋ケースを交換するだけで、手巻きの変更を可能としたのではないかと考える。特に2940と酷似すると言われるように、2765の裏蓋が2940に綺麗にはまってしまう。そこには急遽2765という手巻きの機械をセットできるしくみを利用したのではないかと感じる。そんなミステリアスなストーリーを感じる今回の一品はその風貌から単なるオイスターではなく、フラットバックというネーミングまで与えられた。1941年製造。10 1/2ラインで、天輪は凹凸のリム部分にチラネジを装備することで、今迄の飛び出たチラネジが天輪の回転により及ぼす抵抗力を軽減することで、精度の安定性を計ったスーパーバランステンプを採用。文字盤には高級仕様としたペットネームとして”ROYALITE”の文字を描き、天文台クロノメーターに準ずるレベルを意味するOBSERVATORYを大きく文字盤に表現し、そのことを意味するように24時間表示をインダイアルとして赤く描きたることで、オブザーバトリーダイアルとも言われる最高の逸品である。
新着情報





