
In 1941, Universal Genève acquired the Martel Watch Co., founded in 1911, bringing one of Switzerland’s greatest chronograph manufacturers under its control. From it came the Uni-Compax, Medi-Compax, Aero-Compax, and Dato-Compax. Then, in 1944, based on Martel’s legendary Caliber 281, the new Caliber 481 was born. It powered the ultimate Compax—the Tri-Compax—combining a complete calendar, moon-phase display, and chronograph in one remarkable wristwatch. A masterpiece of engineering, it remains one of the most celebrated complicated timepieces ever created.
1941年、1911年創業マーテル社を傘下に迎え、30分積算計付き2レジスター”ユニコンパックス”、 簡易脈拍計を付け医療に役立てた『メディコンパックス』、時差の激しい航空界において、世界のパイロットから愛された『アエロコンパックス』、31日のデイトダイアルを装備させた『ダトコンパックス』、そしてそのコンパックスシリーズの頂点に君臨し、”マーテルル社渾身の名機となる”281キャリをベースに1944年に”481キャリ”誕生、コンパックスシリーズの最高峰モデルが開発された。全てのカレンダー機能に月齢を12時位置に装備したトリコンパックスの誕生である。
クロノグラフ、トリプルカレンダーに月齢まで装備したその出で立ちは、当時、その使用方法をマスターするものは時を制すとまで言われ、神の領域に踏み込んだ一品として『トリコンパックス』は現代のこの時代まで伝説として語り継がれていることは間違いない。そしてその伝説は、ゼニスにマーテル社を売却することにより、エルプリメロの世界初ハイビ―ト自動巻きクロノグラフ伝説として世界の時計業界に改革をもたらした原点と言っても過言ではない。
そして今回、ご紹介させて頂くのは、”Cal.481キャリ”搭載のトリコンパックスのすごい一品をご紹介しよう。その時代を感じさせる出で立ちは、ケースに刻まれた”ENVERSTEEL”の文字が示すようにクロムを多く含んだスティールは黒ずんだ味わいを魅せ、その中に潜んだ大きなざわめきは、”481キャリ”の大きく見開いたテンプ周りの独特な様相から18000振動の熱いビートを載せ、その鼓動を確かめるべく、2時位置のクロノグラフプッシャ―を押した瞬間、そのざわめきは、オペレーティングレバーから8枚刃の太いピラーホイールへと伝わり、クラッチからドライビングホイールへとその鼓動を確かなもりとして伝えている。その鼓動を表現する先に見るトリコンフェイスは、ダイアルに隙間もなく配置された3時位置、6時位置にあるクロノグラフのイン溝ダイアル、そして9時位置の永久秒針、そしてこの一品が神の領域へと踏み込んだプロセスともなる曜日、月表示をカウンター、デイトポインター針を配したデイトスモールダイアル、そこに当時の職人が眉毛、瞳、鼻、唇まで細かく繊細に手作業で描いた月齢のムーンフェイスを12時位置周りにすべて配置することにより、この一品の伝説ストーリーが60年以上の時を越え、確実にこの一品を見た者に伝えていることは間違いない。そしてこのトリコンパックスのダイアルは当時ハンドペイントで描かれた分、ヤケ安く、痛みやすい分、オリジナルコンディションとして残ることは奇跡と言われるが、その奇跡の証としてこの一品がここに明らかに存在することを皆様にお伝えしたい。




